就労支援の現場でOTが大切にしている3ステップ
仕事をしているはずなのに、
何から手をつけていいかわからなくなる。
頭の中がごちゃごちゃして、
「自分はダメだな」と感じてしまう。
就労支援の現場で、お仕事されている方とやりとりをしていると、
こうした声をとてもよく耳にします。
この記事では、
仕事中に思考がぐちゃぐちゃになったときに、
無理なく整えるための考え方と具体的な方法を、
作業療法士(OT)の視点からお伝えします。
私が就労支援の現場でいちばん大切にしているのは、
「その人が今、どう感じているのか」「本当はどうしたいのか」という気持ちです。
考えがまとまらないとき、
無理に答えを出そうとしなくても大丈夫です。
まずはリラックスして、一息つくところから始めてみましょう。
「全部読まなくても大丈夫」
「今しんどいところだけ拾っても大丈夫」
そんな気持ちで読んでいただけたらと思います。
それは「考える力がない」わけではありません
頭が混乱しているときほど、
実はその人は一生懸命考えています。
就労支援の現場でも、こんな場面をよく見ます。
- 作業内容は理解しているのに、手が止まってしまう
- 些細なことで集中が一気に切れてしまう
これらは、
能力が足りないから起きているわけではありません。
むしろ、
「ちゃんとやらなきゃ」
「失敗したくない」
と、気を張っている人ほど起きやすい状態です。
OT視点で見る「思考がぐちゃぐちゃになる3つのタイミング」
作業療法士として多くの方を支援する中で、
思考の整理が苦手な方には、ある共通した状態が見られると感じています。
それは、
ひとつの事柄に強く意識が向き、
全体を俯瞰して見る余裕がなくなっている状態です。
① 情報が一度に入りすぎているとき
仕事中は、
- 作業内容
- 期限
- 体調のこと
- 人間関係や生活の心配ごと
いくつもの情報が同時に頭に入ってきます。
就労支援の現場では、
「今日はひとつだけで大丈夫ですよ」
とお伝えすることがあります。
思考が混乱しているときは、
情報量そのものを減らすことがとても大切です。
② 身体のコンディションが落ちているとき
- 頭痛
- 腹痛
- 吐き気
- 寝不足や強い疲労感
- 生理やPMSなど身体の周期
身体にこうした症状が出ているときは、
思考を整理する以前に、身体が「少し休みたい」と教えてくれている状態です。
就労支援の現場では、
このようなサインがある場合、
無理をせず体調を優先して進めることを大切にしています。
集中できない自分を責める必要はありません。
それは怠けではなく、身体からの大切なサインです。
③ 気持ちを後回しにしすぎているとき
- 本当は不安がある
- モヤモヤしていることがある
- 嫌だけど我慢している
こうした気持ちを抱えたまま作業を続けると、
思考はどんどん絡まっていきます。
作業内容だけでなく、
「今どんな感じですか?」という確認をとても大切にします。
仕事中にできる「ぐちゃぐちゃ思考」整理3ステップ
思考が絡まっているときは、
「ちゃんと整理しなきゃ」と思うほど、
余計に苦しくなってしまうことがあります。
ここでは、
無理に前向きにならなくてもいい整理のステップを紹介します。
STEP1|まずは考えるのを一度止める
頭が混乱しているときは、
無理に整理しようとしないことが大切です。
- 深呼吸を1回する
- 画面から目を離す
- 立ち上がって少し体を動かす
ほんの数十秒でも大丈夫です。
一度「止まる」ことで、
思考の渦から少し距離を取ることができます。
STEP2|頭の中をそのまま外に出す
次に、頭の中にあるものを外に出します。
- 紙に書く
- スマホのメモに打つ
このときのルールは3つだけです。
- きれいに書かなくていい
- まとめなくていい
- 読み返さなくていい
作業のハードルを下げることがとても重要です。
「ちゃんと書こう」と思うほど、
手が止まりやすくなってしまいます。
STEP3|「今できること」をひとつだけ選ぶ
書き出した中から、
- 5分くらいで終わりそうなこと
- 完璧じゃなくていいこと
- 途中でやめても問題ないこと
をひとつだけ選びます。
小さく終わる経験は、
次につながる大切な土台になります。
それでも整理できない日は、どうしたらいい?
体調が悪い日や、
生活の中で何か大きなことがあった日は、
整理できなくて当然です。
そんな日は、
「今日は考えない日」と決めてしまっても構いません。
できない自分を責めるより、
これ以上疲れない選択をすることも大切なセルフケアです。
ひとりで整理しなくていい、という選択肢
もし、
- 毎回同じところで思考が止まる
- なぜしんどいのか分からない
- 整理しようとすると余計につらくなる
と感じている場合は、
もう少しゆっくり整理する方法もあります。
- 思考が崩れやすい原因を整理する記事
- 習慣として整えていく方法をまとめた記事
必要なタイミングで、
そっと参考にしてみてください。
おわりに
頭がぐちゃぐちゃになるのは、
あなたが弱いからでも、考え方が間違っているからでもありません。
複雑な悩みを抱えているとき、
前向きに考えられない日があるのは、とても自然なことです。
「どうしたら前に進めるか」だけでなく、
「どこで一度立ち止まるか」も大切にしています。
このブログが、
悩みを誰にも相談できずにいる方にとって、
少しでも気持ちが楽になる場所になれたら嬉しいです。
味方は必ずいます。
あなたは、ひとりではありません。
このページも、
しんどくなったら途中で閉じて大丈夫です。
また必要になったときに、
そっと戻ってきてもらえたらと思います。


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